英検1級の価値・難易度・対策法を純ジャパ独学1級講師がお話します。

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英検1級の本当の姿



「英検1級はしっかりと勉強すれば誰でもとれる」


「でも英検1級はネイティブは使わない単語がたくさん出る変な試験」


こういう感じでとらえている方が最近では多いのではないでしょうか。

なぜなら英検1級に関しての記事を書いている方々もみなさん僕とは違って謙虚で、

「難しいなんて嘘、私に取れたんだからみんな取れる」といったトーンの記事が多いからです。



ですから今回僕はそれとは違った、「みんな」を実現する難しさを自称誰よりも知っている個別指導を2万5000時間余りやってきた講師として、


なるべく客観的に(英検1級のレベル感、受けて得られるものについて、


これから受験を考えている方が、知らないことで時間を浪費しないような「本当に役に立つこと」をお話していこうと思います。

❶確かにネイティブと同じ英語力ではない


英検1級を取ったらネイティブ並みの英語力がある。たしかにこれは嘘です。


ノンネイティブとしてはかなりいいレベルにはあると思いますが。


私は英検1級に少し余裕を持って受かった(少しです)程度の英語力なので英検1級保持者の平均レベルにかなり近い位置にいるのではないかと思うのですが、


海外ドラマをみて全部楽に聞き取って理解できることはありませんし(6割くらい)、


英語の本(ネイティブの大人が読む比較的難しいもの)を読むのは時間がかかります。(日本語の時の1/4くらいの読解スピードでしょうか)


会話力は相手のいう音は1対1ならほぼわかって自分の言いたいこともほぼ相手に常に伝えられますが、

しっかり自分の意見をそれなりのテーマに対して伝える時の話すスピードは遅い(考えてる時間も含めると50wpmくらい)です。



相手の言ったことがわからないこともないわけではないです。

❷だけど難しい


しかし、「しっかりと正しいやり方で勉強すれば誰でもとれる」という論調には同意できないです。



受からない人は全て正しいやり方をしていないからだ、といってしまえばそれまでですけどね。(世の中のすべてのことに対してそう言えますからね。)



「誰でも」という部分も、人間はそこだけが印象に残ってしまいますからなお悪い表現だと思います。



僕はSNS上でもこの「誰でもできる」という言葉に振り回されてずーと1級を受験し続けている方も何人も見てきました。



誰でもできるのに自分は受からないってのは許容できませんもんね。



こういう方たちも、きっともっと他の自分により向いていることや楽しめることに時間を使えば、それが早くものになったり、もっと楽しく毎日を送れたりしているんじゃないかなと思うことが多々あります。



英検の圧倒的認知度にも関わらず、本屋に過去問すら置いていない1級。その難易度は単に名門大学に受かるのとはわけが違います。



英検1級はめちゃくちゃ落ちる試験


英検1級の合格率は10~13%ほどのようです。

ただこれは英検準1級には合格している、または合格する実力がある人たちが受けて出た数字だと考えるのが妥当だと思います。


英検準1級というのは高校の英語の先生がとっていることが好ましいと文部科学省がアナウンスしているレベルの試験で、実際にはそれに満たない英語力の先生の方が多いようです。


その準1級をクリアするレベルの人の中で、10人に1人くらいしか合格しないわけですから、1級は誰にでもチャンスがある試験ではないのではないでしょうか。


実際SNSを見ていると4回落ちてるなんて人はざらで、10回以上落ちているなんて人も珍しくはないみたいです。

なかには70回以上落ちてるなんて猛者も。


(その方は英語学習を通じて出会った人とのつながりを長年楽しんでらっしゃると思うので、個人的はいいと思いますが)


仕事しながら毎日5時台に起きたり、夜2時まで勉強したり、

1日2時間以上何年間も勉強したりした上で落ち続けてメンタルを壊したり、壊しそうになったりして合格をあきらめるという方もかなりいます。


その割にはみんながみんなその価値を理解してくれるテストではないので(例えばTOEIC900点のほうが英語力があると思われていたり)、


勉強がすごく得意な方、英語学習を心の底から楽しめる方以外は受けない方がいいかもしれません。


また、僕は仕事柄世の中で「誰でも」とか「簡単に」できると言われていることを(例えば英検3級とか)、

実際にどんな生徒の方にでもできるようにするのは本当に本当に難しいことを肌で感じてきたので、


英検1級を誰でも可能なんて述べるのは、その前にどんな言葉がついていたとしても事実とはかけ離れているとしか思えません。







英検1級に受かる人の割合

英検3級を受ける人は合格率を発表していた当時65万人くらいいました。(今はもっと多いと思いますが)


その中で英検1級合格者は2400人。3級受験者のおよそ0.4%です。


また累積の合格者数から考えると、


年間合格者数は2500人ほどで60年間試験が行われてきたこと。


最上位級であるため、実力試しに合格後も複数回受験し合格している方が多くいることを考え合わせると、


今生きている人の中で英検1級をもっている方は50000人くらいかなと思います。


2400人に1人という感じでしょうか。


英検1級=年間合格者2400人

     各都道府県平均で年間50人
(県によっては年間1人しか合格者が出ないこともあるようです。)



保持者は日本国民2400人に1人。

というのがざっくりとした頭に残しやすいデータかなと思います



ある学年の高校10校の卒業生のうち1人くらい。


ちなみに1級に受かるけど受けてない人の存在はあまり考えないでいいと思います。(苦労なく簡単に受かる人なら、英語のテストの中で世間でも認知度の高く実力をそれなりに証明しやすい英検の1級はそれなりに受けていそうだから。)



ざっくりとした数字ですが、これを考えると「やり方さえ正しければ誰でも受かる」なんて言えませんね。


英検1級の実際の難易度は、勉強を日々集団ではなく個別でわかるまで教える大変さと15年以上向き合ってきた僕としては、以下のような感じです。


~英検1級の難易度の実際~


公立中学のクラスで1番英語ができた人、または英語の全国規模のテスト(簡単すぎないもの)で偏差値が70以上の状態で中学を卒業した人が、


勉強の仕方を一生懸命考え毎日毎日継続し、英語力が英検2級合格レベルになってからさらに1000時間以上は合格に必要だと思います。


英検3級レベルから1000時間余りでという記事も目にしますが、


これが3級に受かった誰でもという意味なら、僕が英語を教えてきた感覚でいうと全く現実味を感じません。


クラスでトップの英語力の公立中学生が3級合格から1000時間なら僕の肌感覚ともそれなりに近い感じがします。(少し短い気はしますが)


別の言い方をすると40人に1人の英語の出来だった方がそのトップの中で10人に1人くらいの努力をすると届くイメージです。


(1級保持者が2400人に1人であることを考えるとこれでもだいぶ甘いかもしれません)

大問ごとにみる英検1級問題の特徴・難易度・勉強法


英検1級 大問1



12000語レベルの英単語を身につけているかどうかを(少なくとも読んでわかるか)を22問にわたって問われます。


出題されている英文自体は特に長くはなく、1級受験者であれば問題なく読めるレベルだと思いますが、


4つの選択肢として挙げられている単語のどれもが準1級レベル(8000語レベル)よりも高く、解答するには


①洋書を長期間読んで上記のレベルの単語と日々触れて覚えている。

または、

②1級単語アプリなどで上記単語に何十回か触れて覚えている。


ことが必要です。


英検1級 大問2


扱われる話題は多くの人は知らない自然科学的、社会的なものが多く、時に軍事的エピソードすら交えながら語られており、日本語で読んでも眠くなってしまう方も多そう。



600語前後(設問、選択肢含む)の大問2問(小問6問)に対し、13分前後で答える必要があります。



試験に臨むにあたっては以上のようなテーマに関して、文章の筆者が想定している読者のレベルに到達しておく必要があります。



例えば、地球の平均気温の上昇幅が今世紀末までに5℃以上に達するおそれがある、といわれても、



32℃と37℃の違いや、12℃と17℃の違いもあまりわからないような数字に対する弱さがあったり、



ロシアが冷戦の時代のように世界の中で存在感を高めようとしているといわれても、



冷戦構造を知らなかったり、ソ連崩壊後のロシアの経済的苦境を何も知らなかったりすれば、



どうしても文章を書いた筆者のメインテーマ(=意外な点)を意外だと感じられなくなってしまいます。



そうすると、実際に聞かれる空所の部分は、その段落の内容をまとめた言葉が入ることが多いので、(=つまり段落全体の論じているメインテーマへの理解が求められます。



記述式ではない選択式の問題とはいえ正解することは難しくなってしまいます。



前提知識もなく、文章を読む際に一番大切なのは意外、面白ポイントを見つけることだという認識もなく、空所の前後だけ素早く読んで答える、という国語の苦手な方がよく正しい方法だと誤解しているやり方をするだけではこのパートで70%以上安定して得点するのは難しそうです。



英語だけができても、日本の公立高校入試の国語の読解問題で苦しむくらいの読解のレベル感だとこのパートが合格のネックになってしまうかもしれません。


英検1級 大問3



問題の特徴、意図としては大問2と重なる部分は多いですが、より文章は長くなります。



このパートの長文問題3問、小問単位で13問、語数で言って2500語前後(設問、選択肢含む)に対して36分前後で答えるのが標準的かなと思います。


(ライティング、要約に37分、語彙パートに11分、大問2に13分かかるとした場合)




1級受験者にとっても難易度は高いと思います。



このパートでの70%以上の得点を目指すにあたって私がとくに重要だと思うのは、対照実験について知ることです。



結論を導き出すのに行う”対照実験”

検討したい薬などの解決法の効果を調べるために、その解決法を使う以外の要素は同じにして行う実験。


例えば片方のグループのマウス100匹に対しては新サプリを2週間摂取してもらい、もう片方のグループ100匹に関しては摂取させずに2週間過ごしてもらう。


温度などの過ごさせる環境は全く同じにする。

その結果前者のマウスのうち78匹は体重が減り、後者のマウスでは体重
が減ったものは3匹しかいなかった。

このような場合、新サプリが体重減少の効果をもたらすのではないかと推測することができますよね。



科学的分野ではなく、社会的分野でも、例えば19時以降の一人歩き禁止という法律のみを犯罪対策として導入した州が、別のその法律を制定しなかった10州よりも同期間において目立って犯罪件数が低減していれば、


その法律は犯罪抑止に有効なのではないかと推定できる。というような対照実験に似たような手法を用いた議論は繰り返し文章中に現れます。


(もちろん社会科学的問題の場合、自然科学的問題よりも結果に影響を与えうる要素が多いため、さらなる検証は必要になりますが。)


このような結論を導く有力なやり方を知っていれば、文章の先を予測しながら読めるようになり1回で文章の中身が頭に残るようになってきます。



文章の展開の仕方を、各段落に長めの題名をつけるなどして、過去問をやるごとにテキストやノートにメモしながら学んでいけば、文章のテーマによらず共通の話の運び方が体得できるはずです。



英検1級 要約 ←NEW!!


90語から110語くらいの長さで書く要約問題が出題されます。



この問題が出題されるのに伴って、語彙問題、長文読解問題が41問から35問に減らされます。




多くの方は英語長文を読み、その中身を英語でまとめることに慣れていないでしょうから難易度は低くないと言わざるを得ません。



しかし、その問題を攻略しようと練習する過程でかなりの英語力と読解力が得られます。



普段現代文の受験指導も行い、記述模試において全国1位を2回とった筆者がおすすめする要約の勉強法は以下のようなものです。



要約の勉強方法

1.全文読む。


2.読んだ内容を本文を見ずに自分の表現力で要約する。


3.本文を見直し自分の表現よりも適切だと思う表現があれば適宜置き換え、漏れている内容があれば書き加える。


4.答え合わせをする。



技術的なことを言えば、本文の中の抽象的な部分をとりだして、具体的な部分を省けばおおむね要約が完成するのですが、それを本文のコピペで行うのはおすすめしません。



コピーしようとすると人はその内容をあまり読まなくなって致命的な間違いを犯しかねませんし、


何問解いても、「言いたいこと」を意識せずとも素早くつかめる「読解力」は身につきません。


これでは時間の無駄ですよね。


抽象的な部分と具体的な部分が、区別して頭に自然に入るようになるよう1から4を練習しましょう。




私たちは英語を自由に操ることができるようになるために英検1級を受けるはずです。



文章中の英語をろくに読みもせずにコピーしたところでそれに何の意味があるでしょうか。



こうして仮に受かったところで自分の英語に自信をもって発信できることはないでしょう。



合格の先を見て勉強をするなるべく頭にかけるべき負荷をかけて勉強するというのが、試験対策としても圧倒的に優れているし、



試験結果も良くする というのが25000時間超個人指導をしてきて、少なくない数の逆転合格を実現してきた筆者の考えです。



特に英検協会が今回の出題内容リニューアルに伴って設置した特設サイト内にある要約の例題の設問には、



in your own words.



という表現が入っています。



自分自身の表現でまとめてそれが本文中の言葉と違ったとしてもしっかり評価される証だと思います。


勇気を出してコピペではなくしっかり「要約」していきましょう。
   

英検1級  ライティング



ライティングでは200語から240語の文章を与えられた社会的テーマに沿って書くことが求められます。



過去出題されたテーマには以下のようなものがあります。(出典:英検協会ホームページ、旺文社英検1級過去問題集)



✅政府は科学研究をもっと重視すべきか。


✅大企業は利益を生むことだけに関心があるか。


✅人類はいつか自らを滅ぼすことになるか。


✅海外の会社からの投資は日本の経済の成功に必要か。

✅人間社会は常に環境に悪影響を与えるか。


などです。


かけてよい時間は25分から35分ほど。



筆者も実際に書いてみて最初の方は240語というのはなかなか長く難易度も高く感じました。



しかし、問題に対する切り口を決めて常にその切り口から考える、自分の言いたいことの傾向をつかんでそれを言うための表現を答え合わせの時に調べてストックする、という学習をすると、


220語くらいを書くことに関してはできるようになりましたが、それを30分以内に収めるというのが筆者には難しく、35分くらい常にかかっていました。



私にとっては時間を短くするということが最難関でしたが、人によって設問と論点のずれた答えをしてしまう方、文法に難のある方と様々ですので、



早い段階から、たくさんのテーマに関して220語書いてみて自分の課題を見つけるというのが最も重要だと思います。


英検1級 リスニング


1.会話の内容一致選択 10問


会話のスピードはナチュラルスピードに比べればかなりゆっくり。


使用語彙のレベルもおおむね2級レベルでたまに準1級語彙が混ざる程度。


その文を自分が話すことができれば確実に聞き取れるレベル。


ここで苦しむようなら英語のアウトプット(英語を話す流暢さ、発音、アクセント)などがリーディング能力に比べて劣っていそう。


筆者はこれでした。



2.文の内容一致選択 10問


250語程度のスピーチが5つ読まれ、それぞれにつき2問の質問に答える。


英語のリテンション能力を問われる問題。


日々聞いた英文1文をテキストを見ずに復唱する練習が有効。


できるようになったら2文、3文と増やしていく。


筆者のやった感覚では、2文ほぼ完ぺきに言えるレベルなら問題に答えることには苦労しないと思います。



3.Real-Life形式の内容一致選択 5問


TOEICの問題に似ている。


読まれるスピードも同じくらい。


ただTOEICと違いメモを取ったりすることも可能なので準1級を突破し、1級を受験するレベルの方にとっては十分に練習次第で解答できると思います。


ちなみに筆者はメモを取るとその時間に流れた英文は耳に入らなくなってしまうタイプだったので、何も書かずに聞いていました。


当ブログとしては、キーワードを聞き取るとかというよりも、話す練習をすることで1文1文のほとんどのところを聞き取り理解できるようにすることをおすすめします。


1級を目指すレベルまできたあなたのお手本にするべきは、あなたの日本語を聞くときの脳の動きです。


部分部分を拾ってなんとかしようとする「母国語を聞くときとかけ離れた聞き方」、で英検1級を突破を目指すのは逆に効率が悪いと筆者は考えます。



4.インタビューの内容一致選択 2問


より強固なリテンション能力が求められます。



多くの方は、全て覚えられないから部分部分キーポイントを押さえて聞く ことを目指しがちですが、


1文1文を頭に入れる際の消費エネルギーを下げ、聞いた英文の多くを頭に入れられるようになるだけの英語の処理能力を手に入れにいくべきだと思っています。


繰り返しになりますが、そのためにはアウトプットです。


リスニングがどちらかというと苦手だった筆者も、生徒さんもアウトプット練習を通じて大きくリスニング能力を伸ばせたので、みなさんにもきっと可能なはずです。



英検1級 面接


✅カードに書かれた5つのテーマを見せられ、選んだ1テーマに対するスピーチを1分間で考え、2分で話す。



✅その後スピーチに題する質疑応答とそこから派生した質問に答える。



配点:スピーチ 10点

   やりとりの力 10点

   文法と語彙 10点

   発音・イントネーション 10点




1級受験者が、圧倒的必要語彙数と並んで絶望感を感じるのが面接のスピーチです。


①スピーチではスピーチでは意見と3つの理由を言うことが求められているという話をよく聞きますが、


筆者が多くの記事や自分の実体験、出題意図の分析から自信を持って言えるのは、


必ずしも理由を3ついうことはないということです。


1つで受かった方もいるそうです。


余裕をみたとしても2つ言えば十分です。(私も2つしか言っていません。)


②質疑応答では4問の質問に答える必要がある、5つ答えられれば理想的というのが大方の見解のようですが、


筆者の体験では3つでも合格には十分でした。(やりとりの項目は6点でぎりぎり7点なら合格のところ7点でした。)



問題になるのはむしろ、


✅大きな沈黙なく話せているか。


✅述べた意見の根拠として適切なのか。


✅発音やイントネーションはコミュニケーションをとるのに最低限必要な水準を満たしているか。


ということです。





じゃあどうやって対策していくのか?



他の記事でも書いていますが、筆者としては数十本のスピーチの丸暗記はおすすめできません。


何より辛すぎますからね。


そして試験後はきれいさっぱり忘れてしまうでしょう。


そうすると面接のときのスピーチ力は合格後は失われることになってしまいます。


しかし、スピーチの暗記を通じて自分が意見を言う際に有用な表現を頭に蓄積するという感じならいいと思います。


そういう方針であれば、5本も覚えれば十分でしょうし。


ちなみに筆者は一本も暗記しませんでした。



意見が浮かばないからスピーチを覚えたいのであれば、日本語で構わないので、社会的テーマについて書かれた本やネット上の記事を読む習慣をつける方をおすすめします。



英検1級は国際人としての資質を問われている試験

英検1級は世界で英語を話す国際人となるための英語的資質があるか問う試験なので、今の生活習慣のままスピーチの暗記で面接突破を目指すのではなく、

思い切って一日の自分の時間の一部を、世界や国内の問題に自分のこととして目を向ける時間にし、意見を日々持つようにするライフスタイルに変えた方がいいのではないかと思っています。


筆者は恥ずかしながら海外経験というのは旅行くらいしかありませんが、実際に行かれた多くの人が、


「海外では政治や経済などの問題に関して日本よりもはるかに頻繁に意見を求められる。」とおっしゃっています。


英語を多少流暢に話せたとしても意見のない大人は尊重されませんよね。


日本は政治的にも経済的にも多くの国より安定していて、そのようなことに不満や問題意識を持ちづらいかもしれませんが、1級受験を機会に興味を持つ方向にいきましょう!


僕も1級受験を機にはじめて海外に多額の寄付をすることに挑戦したりして少し世界が広がったのを実感しています。

(僕にとっての”多額”ですが 笑)



日ごろから社会問題を見聞きして、日本語でなら意見が出るようにする+意見をいうための自分なりのテンプレートを準備して英語で表現できるようにする。



この2つで面接は突破できると筆者は考えています。



(もちろんできるなら、最初から意見を日本語ではなく英語で浮かべた方がいいんですが、意見を話すための型を持たない状態からそうするのは難しいと思います。)



テンプレートを持つ というとなにか安直なイメージを持つかもしれませんが、


考えてみれば、日本語でも僕ら大したバリエーションの表現で意見を言ってないんですね。


「あの人いつもこういう話し方するよねー」って感じる時あるじゃないですか。


僕らは英語ではまずそれを目指せばよいのではないかと思っています。


そうすると話し始めるまでのスピードが上がって英語でのコミュニケーションが円滑にいくようになります。


その後表現のバリエーションを出していけばよいと思います。


英検1級合格のためには、いろいろな媒体でいわれているほど豊富な表現は求められておらず、(加点はされる)


合格点をとるのに必須なのは、一定以上の円滑のコミュニケーションです。

じゃあ価値はあるの?



英検1級の実用的価値


✅難関大学の入試において優遇を受けられる。



上智大学文学部英語学科や早稲田大学文学部文学科をはじめとした最難関の大学において優遇を受けられます。


優遇の内容については、試験結果に加点、試験免除など様々あるのと、年度ごとに変更の可能性もあるので、詳しくは大学ホームページや英検協会の英検活用校検索をご利用ください。



✅通訳案内士試験の「英語」が免除。



✅教員採用試験の際の英語試験免除か加点になる。(都道府県などにより異なる)。



✅就職の際に有利になる。


(ただこれは会社によって異なりますし、明確な基準がない場合も多く、英検1級よりはるかに難易度的には低いTOEIC800点と同程度の評価しか得られない場合もあるようです。)



以上を見てくると、価値がないとは言えませんが、多くの方にとっては難易度ほどの「実用的」価値はないのではないかと思います。



ここまでお話ししてきたような難易度であるにも関わらず、司法試験や公認会計士、税理士といったようなその資格があって初めてできる「仕事」が明確に存在するわけではないですしね。


また、そういう資格に比べて合格まで導く指導ができる人も圧倒的に少ないという点も難易度を引き上げています。



加えて、英語を一通り話せること(「話せる」という言葉自体が定義することが難しいあいまいな言葉ですが)を目標にするなら、英検1級はその1番の近道ではないと思います。

💡でもこういう人には価値がある



①様々な社会的テーマに対して自分の意見を英語でしっかり発信できるようになりたい方。


まさに英検のホームページの文そのままみたいな感じですが実際そうだと思います。


自分のことで恐縮ですが、僕も外国に住みたい!とか洋楽大好き!とかっていう英語の雰囲気に憧れたというよりは、

日本人の考えを堂々と海外の人に主張できる男になりたいみたいな感じだったので、英検1級とは相性がよかったと思います。


受かることよりも、その合格への勉強の過程で本当の英語の力を手に入れたいと願う人にはとても良い試験です。




②新聞やニュース、自己啓発本、多少の専門知識について述べている本などを日常的に読めるようになりたい方。


いわゆる大人が読む本を英語で読んでいきたい方にとって英検1級はうってつけのテストです。


僕も英語の本を日常的に読めるようになりたいと思ったのが英検1級を取ろうと思った一番の動機です。


1級に向けた勉強の過程では英単語の語彙を10000語以上にする必要があり、そこで得た言葉はまさに新聞や本に出てくるレベルの語彙なんですね。


読んでると本当によく出てきて勉強してよかったなと実感できます。



③英語が好きで、または自分の英語力に対してプライドがあっててっぺん取りたい方


英検1級というのはわかりやすく一番上の級ですし、他にも選択肢がないわけではないとはいえ、英語資格の最上位の一つなのは間違いないと思います。


ですから「てっぺん獲ったどー!!(古)」という感覚を味わいたい方にとっては挑戦してみる価値がある資格だと思います。


ただてっぺん獲ることだけが受験のモチベーションだと、合格する前に心身のバランスを壊す危険性もあります。


勉強があまりに苦しいでしょうし、果てしないでしょうから。


学習自体を楽しめるというマインドも必須だと思います。


どうだったでしょうか?この記事を読んでぜひ目指してみたい!となりましたか?


それとも思ってたのと違いそうだからやめておこうとなったでしょうか。


この記事で、心身にダメージが出る前に英検1級から勇気ある撤退できる人、

英語学習を楽しみながら適切な距離感で1級への勉強を継続できる人が少しでも増えればうれしいです。



それではこの記事のまとめです。




この記事のまとめ


英検1級のレベル:ネイティブのしっかり勉強してきた人の英語レベルには遠いが、ノンネイティブとしてはかなり良いと言えるレベル。


英語で意思疎通するのにはあまり困らない。ただ流暢さには個人差がある。


価値:社会を渡っていくための資格としては一定の価値はあるがその難易度ほど評価されるかは疑問。


心身に負担を感じたら、そこまでする価値はないものなので受験をやめたほうがよい。


ただ、合格するまでの過程で手に入る英語力は間違いなく英語を使う上で役に立つ本物。


長期間の英語学習や不合格が苦にならず、日常生活の中で洋書を読んだり、英語で議論したりということができるようになりたい方にとってはおすすめの試験。



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