塾に任せているだけじゃないですか?中学受験算数 トップ講師が10分で伝える家庭で把握すべき勉強の順序

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みなさん、こんにちは。大手家庭教師センターで難関中学算数過去問動画の解説を担当していた情熱家庭教師のゆうです。



今日は中学受験の算数いったいどうやって学習を始め進めていったらよいのか、塾で算数を習っているけどまったく身についてない

とお悩みのご両親の方に、着実に力がついて合格に近づける学習の順番についてお話したいと思います。


①算数の単元には圧倒的に大切な単元がある。




それはずばり「割合」です。細かく言えば百分率や相当算などという名前の単元も入ってきます。


どんな問題かというと、

太郎君は初日に本全体の50%を読み、2日目に残りの3分の1、3日目に80ページ読んだらちょうど1冊読み終わりました。

この本は何ページありますか。


みたいなものです。



みなさん入試によく出る単元がどれかというようなことを考えがちなのですが、


大切なのは「どの単元が各単元に共通した考える基礎となるのか」なんです。


まさにその基礎になるのがこの割合の単元です。


例えば割合と同じように中学入試頻出である「平面図形(相似)」も、割合を理解していないとただの理解の伴わない暗記になってしまいますし、



難関校で最近好んで出題される「立体図形」も「平面図形(相似)」がベースになっていますし、

ということは割合の理解が必要不可欠なんです。


中学受験以降の進路にも大きく影響する「割合」

中学の数学はもちろんのこと、高校で学ぶ理系科目、特に化学は割合がわからないとかなり学習が苦しくなります。


英語の長文読解ですら簡単な割合の計算が必要なことはあり、割合が苦手だとそのようなことがあるたびに計算の部分は避けるようになる。


→結局割合がわからないと頭の中で数字を使う思考全体を避けてしまうようになりがちなんです。


すると、理系を進路に選択することは難しくなりますし、

文系でも著しく思考力に欠ける学生になるため将来の可能性、進路がぐっと狭まってしまいます。


例えば「多くの人々は・・・」といわれたときに、それが60%なのか90%なのかということも気にならないような思考の精度ではなかなか希望の進路、職種につけない場合が多いんです。


(ちなみに就職活動においてもSPIというテストが各企業において実施される場合が多く、そこにも「割合」の問題が出たりします。

それはおそらく応募者の最低限の思考の精度を確かめるやり方の一つなのだと思います。)


話をもとに戻しますが、このように算数の頻出単元の基礎になり、それ自身もよく出題され、将来にも影響するのが「割合」なんです。

💡線分図を書こう!



割合の問題は式のみで考え、解答することもできますが、線分図を書く習慣をつけることをおすすめします。


線分図を書くと


①割合の大小関係を考えるようになる。


→長いところが大きい割合で、短いところは小さい割合だから。


(小学生は式だけではその意味をおそろしいくらい考えていない場合が多いんです。


解けている場合でも、塾の先生の見よう見まねで式の意味は全く考えていない場合があります。)




②算数、数学的考えをどう紙の上に表現できるのかを知ることができる。


→こういう思考の表現方法を学ばないと、すべてを頭の中ですませようとして、頭で考えきれない問題は全てわからない、ということになりかねないんです。



💡どれくらいできたらOK?


教えてきた経験からいうと、だいたい各塾の「割合」の単元の問題の60%以上の問題をすらすら解けて正解できればまずまず良い

思います。


そこに達していない場合は他の単元の学習を削ってよいので、毎日少しずつ割合の学習をしていくのをおすすめします。


学習時間は単純に増やさない!


今お話ししている割合のように入試に重要な単元があると、熱心なご両親は普段の学習時間に加えてその単元の学習時間を加えがちです。



しかし、過剰な(塾の勉強時間に加えて1日2時間3時間以上も勉強するような)長時間学習は子供の学習意欲を著しく削ぎます。



子供は往々にして、親の勉強を勧める圧力の前には、親が「もう勉強終わりにする?」と聞いたとしても「うん」とは言えないものです。



親御さんの側がお子さんの表情などもよく観察し、「合格に必要だから」と単純に勉強時間を増やしていかないようにしましょう。




※中学受験と心の健康に関して 



https://www2.spc.ritsumei.ac.jp/spirits/column/middle-school-stress/




割合の前に終えておくことは?

中学受験で難関校(サピックスでおよそ偏差値50以上、日能研で56以上)の受験を考えている場合、


小学5年になるまでに一通りの小学校で学ぶ計算をできるようにしておくことをおすすめします。


僕はだいたい計算→進学塾小4のカリキュラム→割合(小5カリ)→図形の相似(小5カリ)→速さ(小5カリ)→特殊算(小5、小6カリ)


と進めていって生徒の算数の成績を大きく上げています。


これは、大手塾で学ぶ量よりかなり学習量を減らせて入試でも得点できるようになるプランだと思っています。


→ここまででもじっくりと問題演習を繰り返し確実に解けるようにするだけでも全体の80%以上の中学には合格できるレベルだと思います。

(多少の入試問題演習は必要ですが)


円の面積、円柱、円錐の体積なども計算問題の一環として早期に学習してしまった方が良いです。

(子供にとってもそんなに苦しい単元ではありません。)


ここまでに触れていない部分に関しては、小6秋以降入試問題で演習を重ねながら触れていけばよいと思います。


(この段階で学ぶもの、特に進学塾の小6テキストに載っているようなものに関しては、

ある程度できる高校生でも理解できないような小学生にはあまりにも難しいものも多く、相性の良いものだけ習得していけばよいと思います。)


※「入試に出るから」となかなか理解できないものまで無理強いするのは厳禁です。



そうすると、努力したのにテストで答えられない上に、丸暗記して答案にはきだすような行為が「学習」だという認識が子供の中に残り、


中1以降の学習で「考える」ことをなかなかしなくなります。



また、勉強=つまらないという認識を作ってしまう大きな原因にもなり、学習意欲も低くなります。


脳や体の成長を待ち、1年後、2年後に身に着けたとしても大学受験ではしっかり戦えます。


逆に意欲を削いだり、学習に対しての誤った認識を与えたりすると取り返しのつかない場合も多いです。


②「割合」のあとは「平面図形(相似)」




ちょっと上の写真の子は幼すぎますね💦 



でも子供の理解力って割り引いてみておいた方が受験勉強はうまくいきやすいです🤗



本題に戻って割合を身につけたあとは、「平面図形(相似)」へ。


ここで、


①高さの同じ三角形の面積比

→底辺比で決まる。


②相似な三角形同士の面積比

→相似比の2乗になる。



ことを中心に、図に条件を書き込み毎日問題演習を重ねるように指導してください(1か月以上)。小学生は大人が思ってるよりずっと繰り返しが必要です。



この単元が、立体図形や速さのダイヤグラムの問題を解くときの基礎にもなります。


小学生は図に書き込みができない。

図形問題は特に情報の整理が必要です。

そのためには、図の中に問題の条件やすでに出した値を書き込む必要があります


ところが小学生は

①そういう発想がない


②字が大きくて汚いので、書き込むと字と字が重なって読めなくなってしまう。


③書かなくても頭の中で考えられるような気がする。


などの理由でほとんどの場合書き込みをしません。


だから大人が、書かないと条件の見落としが起こって解けるものも解けなくなることや、見やすい書き方を指導する必要があります。

(ちなみに塾では多くの場合解き方を習うだけで、実際の答えに至るまでの書き方を細かくトレーニングさせたりということはありません。


見よう見まねで最初から真似できた子ができて、そのほかの子はできないままということが多いです。)


解き方を教えるというのは実は子供が問題を解けるようになるためのほんの一部でしかなくて、


むしろその周辺の準備などについて根気よく教えて、何回も反復してもらう必要があるんです。



※うちの子は図に書き込みもしないけど途中式すら書かなくて困っている という方にはマイナビ子育てさんのサイトのこちらの記事もおすすめです。




それでは今回の記事のまとめです。


今回の記事のまとめ

算数ができるようになるための最短コースは


計算→進学塾小4のカリキュラム→割合(小5カリ)→図形の相似(小5カリ)→速さ(小5カリ)→特殊算(小5、小6カリ)。


そのなかでも「割合」と平面図形(相似)は多くの単元や高校での学習の基礎ともなるので確実に時間をかけてマスターする。


割合は線分図を描く、平面図形では図形の中に条件の書き込みをすることが重要!



算数もだけど国語の方が何をやったらよいかわからなくて・・・という方はこちらの記事もぜひご覧ください!