中学入試国語苦手克服 ~塾では教えてくれないよくある誤答①と克服法を5分で~

言葉の意味を考えない間違い
二人とかなは来年もクラスメートだというのもあり、気は進まないがしぶしぶバーベキューに参加したのだった。
(中略)
朋美と翔子はまるで何も聞こえていないかのようにかなと視線を合わせなかった。
かなは心のタンクが空になったのを感じた。
問:傍線部のときのかなの状態を説明しなさい。
このような問題で
「朋美と翔子と話すのは気が進まないという気持ち。」などと答える誤答が、塾で国語の成績が中くらいの生徒には多いんです。
なぜこう答えるのかというと、
①本文の前の方に「気が進まない」と書いてあるから。
②今までの国語の指導を塾などで受けてきて、自分の考えたことを答案に書くのは「文章に書いていないことを勝手に想像して書いている」=してはいけないこと ととらえている。
③生徒本人にとって国語の塾のテストは聞かれていることが難しくて、いつも本文のコピペでテストを乗り切っていて考えたことがそもそもない。
筆者の指導経験上はこの辺りが原因だと強く思います。
ちなみに正解は
「今までの朋美と翔子との関係をこれ以上悪くしないための我慢してつきあっていこう、という気持ちがニ人の冷たい態度によって完全に無くなってしまった状態。」
などというところだと思います。
先ほどのような生徒の答えの大きなの問題点は
✅傍線部の言葉の意味を考えずにその登場人物の以前出てきた場面から気持ちを拾おうとしている。
✅そもそも問題は文中にはっきりとした言葉で書かれていないことについて説明を求めるものだ、ということを理解せず答えている。
ということです。
文中に「心のタンクが空になる」ということに対して説明がないから、
その表現の意味を自分で考えて答える必要があるんです。
だから該当する答えを文章中から拾って(コピペして)答えようとしても正解できないのは当然なんです。
日常会話でも今までの発言内容では言葉足らずで状況が理解できないとき質問をしますよね。
その時にまた同じことを言われても
「それはさっき聞いたよ!」
となりますよね。
国語のテストだと多くの生徒がこれを進んで自らやってしまうのです。
もちろん「タンク」という言葉を全く知らなければこの問題に答えるのは難しくなりますので、
語彙力を鍛えることは受験の国語の問題に答えていくうえで重要なんですが、
それ以上に
✅文中の表現にはそれぞれ個別の意味があって、その意味が分かりにくく(わからない生徒もいるだろうということ)、
✅それ以前の文章中にも全く同じことは書かれてはいないからこそ出題される。
ということを理解して、
✅自分で考えて、勇気をもって自分の言葉で答える🔥ということが必要になります!
ご両親の関わり方が重要!
自分で考えて(もちろん文章中の記述を参考にして考えるんですが)、自分の言葉で答えれば当然
とんでもない的外れな解答や、模範解答と違う解答が出てきます。
こういうときこそご両親の力の見せ所!
自分で考えたことを強烈に🔥ほめてあげてください。
この体験が子供に考える習慣が身につく大きなきっかけになります。
こういう経験がないと、国語だけではなく他の科目も
「勉強=暗記、コピペ」という意識が根付いてしまい、考えることを無意識に放棄する習慣がつきかねないですし、
希望する進路に進むこと、入試などを突破することは(多くの場合、中学受験するご家庭は考える力を要求するいわゆる”難関”に進むことを高校以降でも考えてらっしゃるでしょうから)
難しくなってしまいます。
今回取り上げたような傍線部の言葉を特に解釈せずにそれまでの記述を抜き出して答えを作ってしまう
というのは論説文でも随筆でも同じようにあることですので、
一度お子様の解答をチェックしてみてはいかかでしょうか。
正解を教える必要はないんです。
子供の考える姿勢を励まして少しでも引き出せれば大成功です。
おそらくそれだけで、数か月塾で国語の授業を受ける以上の効果があります。
それでは今日のまとめです。
この記事のまとめ
中学受験国語の間違いの主なものの1つに、
指定された言葉自体をよく吟味せずに、関連部分を見つけて抜き出した答え がある。
このような誤答を無くすには、語彙の勉強と同時に、普段から周りの大人が
「自分の頭で考えて積極的に説明すること」を問題は求めていることを説明し、
チャレンジした答えが的外れでも否定せず、考える姿勢を評価することが必要!
このような環境が整えば子供の国語力は伸びる⬆️⬆️⬆️