「国語が苦手」なあなたのお子様こうなっていませんか?中学受験編

この記事でわかること
①国語模擬試験で全国1位2度の家庭教師が、読解が苦手な生徒と、マンツーマンでわかるまで15年間向き合ってわかった「子供が国語が苦手な理由」
②その解決法
うちの子の塾の国語のテストの点が伸びない、とお悩みの父母の方は多いと思います。
しかし、算数が難しいと娘は言うし、理科も難しいし、国語をやってる時間はないし、何をやったらいいかもわからないし、結局は放置。これが現実です。
しかし、中学受験の成否を握っているのは間違いなく国語力です。
本番で一番点差がつく科目は算数ですが、たいてい国語のできる子のほうが平均すると算数の点も高いのです。
さらに勉強のでき全般、新しいこと能力を身に着けていく力の高低に一番大きく影響してるのが説明の文を読み取る力=「読解力」です。
大人になって職場に入って、「仕事ができる」、「地頭がいい」と感じる人の秘密も、実は「国語ができる」という点にあることが多いんです。
では、小学生のうちに絶対に基本を作っておきたいこの「国語力」「読解力」はどうやったら身につくのでしょうか。
私が15年間マンツーマンでわかるまで子供と接してきたことでつかんだ、読解が苦手な子の特徴を皆さんとここで共有してから、その解決法をお話していこうと思います。
①読解が苦手な理由とその解決法
❶文を全部読んでいない。
よく塾では「ここにこう書いてあるから答えはこれ」、「文章の構成を考えよう」というような指導が行われますが、残念ながらあまり役に立ちません。
なぜなら子供たちは文をそもそも隅から隅まで読んでいないからです。
そこに「文章の要点を考えよう」「問題の答えを探そう」という指導を行ってしまうので、よけいに答えと関係なさそうなところは読み飛ばすようになってしまうんです。
でも文章は初めから終わりまで順序良く、前に書いてあったことを頭に残しながら読み進めていって、初めてわかるように書かれているんです。
だから下手をすると生徒たちは塾で学べば学ぶほど、間違った読み方を身につけていくことになります。
プラスして、模擬試験で解答欄に空欄があると、家庭でも「答えないと〇をもらえる可能性はないんだから全部埋めてきなさい。」というようなことを私の経験ではたいていのご家庭でお子さんに言っています。
すると、余計にあわてて文章を全ては読まなくなるし、書いてある中身について考えることはなくなり、「どうやって問題にこたえて点をとるか」、「抜き出せる部分はどこか」としか考えなくなります。
💡解決法=子供に正解することを求めず、文章を落ち着いてすべて読ませること。
子供の読んでいるテキストの文をご両親もぜひ一度ご覧になって真剣に読んでいただきたいです。かなり難しいことに気づかれると思います。
その後、子供にも同じ文章を1文ずづ読んでもらって、1文ごとに子供に言ってもらうといいです。
塾のテキストレベル(小5のテキストでも公立中学校の中2の文が掲載されているんです。子供の年代での3学年上はかなり大きいです。)
の文をほぼ復唱することは、1文であっても小学生にとって実はかなり難しく、この時点で言えない場合も多いです。
✅もし言えなかった場合は、もっとレベルを下げたテキスト(小4向け)や子供向けの本など1文、2文なら難なく復唱できる文章を使って、
✅1文、2文なら言えている場合は、そのテキストの文章を引き続き使って、
一回で覚えられる範囲を1文→数文→1段落→文章半分→文章全部と伸ばしていくと良いです。
親子で一緒に10個くらいの話に取り組み、子供に繰り返し繰り返し復唱してもらい、内容の説明もしてもらった頃にはお子さんの読解力はかなり向上しているはずです。
読解のテクニックなど何も持っていないこの段階でも、文を隅々まで読むという基本だけは身に着けていますので、時間が足りず答えられない部分が多いにしても、国語のテストで「答えた部分の正答率は高い」場合が多くなるはずです。
子供の学力は親子の会話量に比例する
国語ができる(もっと正直にいうと勉強ができる)子は親御さんとの会話の時間が長く、大人の語彙を身につけている子なんです。
塾で教えてる先生はご両親には面と向かっては言いにくいのでいいませんが、多くの先生方が感じていることです。
※親子のかかわりと子供の学力について
data_03_04.pdf (benesse.jp)
親御さんが忙しく、または放任主義で、子供と事務連絡以外のコミュニケーションをとっていない家庭のお子さんは、
残念ながら同級生が使うような語彙しか身につけておらず、テキストのような大人の語彙で書かれた文の読解は苦手になる場合が多いです。
そうなるとその後いかに塾通いを多くしても、すべての科目の授業内容が理解できず、お金も時間も無駄になり子供の気持ちも沈んでしまい、物事全般に対する積極性を失ってしまう場合すらあります。
ぜひ少しの労力をお子さんのために割いて、塾任せでは身につかない国語力、読解力という大きな果実を、会話による親子間の信頼感アップとともに手にしてください。
国語が苦手な理由2つめは・・・
❷普段の思考力が発揮できていない

多くの子供たちとマンツーマンで長い時間国語の文章に取り組んでわかったことですが、国語が苦手な子供たちは普段の会話でなら簡単にわかる、感じる「言われた言葉の先のこと」も、印刷されている文や問題に関しては考えなくなってしまうのです。
例えば、

・・・地球が汚染されます。

ふーん?

しょうた君の大谷選手Tシャツ汚れてるよ。

あー、誰がやったんだよ!とれないじゃん!
こんな感じです。
普段の会話でTシャツが汚れていると聞けば、誰がやったのかとか、汚れが落ちたらいいのにとか「言われた言葉の先のこと」をいろいろ考えるのに、
テキスト、テストの文に対しては「言葉の先」は考えないんですね。
これは、
①テキストの文のような堅いことには興味が持てない。
②テストで点を取れるかどうかだけを気にしているので、問題の答え以外を考えたことがない。
ことが主な原因だと思います。
①は知識や成功体験を増やしていかないとすぐには解決しない問題かもしれませんが、②はトレーニングを積めば①よりは早く解決できます。
💡解決法=子供にどんな些細なことでもよいので関連事項を考えさせる。(考えたことが的外れでも否定しない)(これが難しい💦)
もしできれば子供が読んだ長文に対して、ご両親が問題以外の質問をたくさんする。
僕の授業では子供たちと、このトレーニングをするんですが、そうすると文章に対して考えようという姿勢が少しずつでてきます。
もちろん最初は本筋から外れたことを考えたりもします。、しかし、それを否定せず考えた姿勢を肯定していくこと+多くの話を読んで
知識を得ることで、徐々に
①原因 ②理由 ③解決策などどいったものに考えが及ぶようになります。
(原因、理由、解決策を毎回質問してあげるとなおいいです。)
そうすると、テストでも本文を何度も読まなくても楽に答えられる問題が増えてきます!
この記事のまとめ
中学受験、国語が苦手 を解決するには、テキストにある読解の仕方を身につける以前に、
①お子さんが一緒に一つの話を抜かさず丁寧に読み、それについて暗唱して話したり、説明したりするのをご両親が粘り強く聞く。
②読んだ文に対して質問をたくさんして本文に対しての子供の思考を促す。
(テストの問題に答えるための情報の拾い読みをやめさせる。)
その際、的外れな意見や思考があっても否定せずチャレンジを肯定する。