スピーチの暗記をしないで英検1級面接を突破した方法
目次

あなたのタイプ診断!
あなたは英検1級面接のどの部分に練習してみて困難を感じていますか。
1.言いたいことは思いつくけど英語で言えない。
2.意見自体が思いつかない。
3.両方・・・
1の方→3.2へ
2の方→2.2へ
3の方→ぜひ最初から最後までお付き合いください!
この中のどれかに当てはまった方にはこの記事はきっとお役に立てると思います。
なぜ英検1級面接にスピーチの暗記が必要だと多くの人が思うのか?
1.長い英語の文章をその場で考える自信がないから
英検1級面接では、お題(社会的テーマ)についてのスピーチが求められます。
過去問や対策問題集を見て250語くらい(2分)が目安だと感じてらっしゃる方が多いと思います。
準備時間1分でそんな長いスピーチ、英語の文を考えられるわけがない!となって、
だったら先にスピーチの内容を準備して覚えておこう!となるんですね。

でもスピーチのテーマは何が出るかわからないから覚えてもきりがないんじゃない?
大丈夫!私は今まで苦しい英単語の暗記も乗り越えてきたし、英語の勉強も毎日のように長い時間
やってこられたから、この暗記も乗り越えられる。
英語検定の1番上の級だし、しかも最後の関門の面接。
受かった人たちだってこの壁を乗り越えてきたんだ。私にもできる。
SNSなどを見てこういう人が多いように筆者は感じました。
でも本当に受かった人はこういう果てしない暗記を50話も100話もやってきた人ばかりなのでしょうか。
また、そういうふうにして合格したとして自信を持って英語話者の方と議論したりできるのでしょうか。
筆者的には、こういう方はせっかく固い決意とそれを実行する類まれな意志の強さを持っているのに、それを向ける方向が違う気がするのです。
もちろんスピーチをたくさん暗記するなかで、結果的に自分の意見を発信するのに適した文の作り方や表現が身につく場合も多くあるとは思いますが、
それを期待するのであれば最初から、「意見を発信するための技術」を身につけようという意識、狙いで、スピーチの文を丸暗記ではなく分析して、
その分析で得た絞られた数の表現の形を反復練習して、そこにある単語を少し置き換えて意見を言えるようにした方がいいように思うのです。
そんな難しいことできないよ・・・と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です、英検1級の受験を考えたり、ましてや1次を突破しているレベルの方なら十分にそれができる能力をお持ちですし、
この記事でも分析した結果、ぜひ身につけてほしい表現について書いておりますので、よろしければ参考にされてください。
2.社会的テーマに対して意見を持ったことがないから
こんな堅い社会的なテーマに関して考えたことがないから解答を暗記しておこう。ということですね。
でも待ってください。
ここで一度英検ホームページの英検can-doリストを見てみてください。
英検1級取得した方ができることの全ての項目に「社会的」ってついているんです。
それなのに社会的なことには関心がないのに英検1級を受け、意見も完全に人の受け売りで合格を目指し、なかなか合格できない、答えられないと嘆いているんだとしたら・・・
カレー屋さんでラーメン注文する酔っ払いみたいなもんです。
せっかく英検1級面接まで英語学習が進んでいるのであれば、これを機会に暗記学習をして意見を作ることを避けるのではなく、
意見を持つ方にシフトしたほうがいいと思います。
どうしてもそんな堅苦しいことは・・・という方は別の検定や方法で英語力を磨いた方がいいと思います。
英検1級を取ろうとするくらいの英語力の方なら、他の方法でも十分に英語の運用力を伸ばしていけると思います。
意見がないから暗記しようではなくて、今までは社会的なことなんて関心がなかったけど、英語力もついてきたし、世界の問題について考えて意見を持っていきたいなという方には1級は向いていると思いますし、
この記事で書いている意見を持つ方法もお役に立つのではないかと思います。

スピーチの暗記なし、台本なしで英語で即座に意見が言えるようになる方法
スピーチの暗記をしようとする理由は、上で書いたようにその場で意見を言えないということにあります。
だったら意見を言えるようにするのがいいですよね。

そんな方法あるの?
あります!
1.考えるための切り口を固定する
「社会的な問題に対して意見を言う。」
これは難しいように聞こえますが、実はそうでもないです。
多くの方はお題にたいしてふわっと考え始めて、いい考えが宇宙から降ってくるのを待っている感じなんです。
だからさまざまなお題に対して有用な意見を言うのは難しいように感じられるんです。
そうではなくて、どんなテーマでも一定の切り口から素早く考え始めると
短時間で、中身のある意見を述べることができるようになります。
例えば「政府は結局市民の健康に責任を持つべきなのか(2020年第二回試験)」について考えてみます。
まずこのような社会的問題について考えるとき注目すべき論点は、
①予算、お金のことです。
家庭や自分のことで重大な決断をするとき(どんな行動をとるか決める時)、その行動をとるだけの予算があるか考えることは避けられませんよね。
それと同じで、政府の行動を考える際、まず考えるべきでかつ考えやすいことは予算のことなんです。
✅ちなみに社会的問題に触れる時は必ずと言っていいほど政府の行動に触れることになります。
社会的=世の中全体の 問題を解決するくらいに影響力を持つ主体は少なくて、そのうち最有力なのが政府だからです。
ですから政府が〇〇すべきとか〇〇できない、なぜならば・・・といったことを常に考えるようにすればいいんです。
例題の予算の話に戻りますが、
この場合、予算の面から考えると、市民一人ひとりの健康に最終的に責任を持つ=具合が悪い人がいたら治療費を全てもつ、とか
入院できる施設を必ず政府が人数分確保する
などというのは現実的ではないと筆者は考えます。
ですから、
「予算の面から考えると政府が市民の健康に最終的に責任を持つのは難しい」
「例えば保険適用されていない治療法などを市民の健康のためだと認め、費用を政府が負担することになると・・・」というような意見の流れに僕ならばなりそうです。
どうでしょうか、予算のことを考えただけで具体的なことも見えてきて、意見らしきことが言えそうな気がしませんか?
2つ目の論点は
②人々の意識 です。
このお題なら、
「健康への人々の意識が高まっている今、政府が個人の健康について過度に責任を持つ必要はない。
その分の軽くなった医療費負担を教育などの他の分野に向けるべきだ。」
などと意見が展開できると思います。
ここでもお金のことに絡めて話がされていますね。
お金のことを考えると①予算 のところ以外でも意見の解像度が上がってきます。
意見の肉付けの方法
上の意見にさらに肉付けをしたい場合、
それぞれの部分に理由をつけ足していくのがいいです。
例えば「健康への意識が高まっている」の部分に、
世界の多くの国で基本的な衣食住に困ることのなくなってきている今、
などと説明をつけ足したり、
「政府が個人の健康に過度に責任を持つ必要がない」の部分に、
個人の健康に政府が過度に責任を持つと・・・どうなるかな?と考え、
政府が過度に責任を持つと、人々の健康管理への意識が薄れ逆効果である、とかと付け足すことができます。
ここであげた2つの切り口でいろいろなテーマに対して意見を考えていくことをぜひやってみてください。
それはスピーチを何十本も暗記するよりずっとすぐに効果が出ることですし、
英検合格後に英語話者と実際に会話、議論するときにも役立って自信が持てるようになると思います。
2.意見を言うための英語表現を分類して身につける。
「意見を言う」というと、そのための表現も難しく数が多くて身につけきれないと思われるかもしれませんが、
よくよく考えて分類してみるとそんなこともないんです。
筆者は必要と思われる表現を恐ろしいほど絞り込み(B型気質です 笑)それだけを練習して合格し、かつ英会話もできるようになりました。
先ほど、予算と人々の意識という切り口から社会的テーマについての意見を考えていけばいいと書きましたが、それと関連させると、
✅必要な単語
予算が足りない→〇〇をやめる、減らす、増やす、改善する、
人々の意識が低い→〇〇を高める、知らせる
といった語彙を意識して使う練習を何回かするだけでかなり話せるようになります。
英語でいうと、
stop,decrease,increase,improveあたりですね。
これ以外はgive,make,keep,get,have,tell,teach,enableといった基本動詞を使えれば、面接中ほとんどのことが言い表せると思います。
「自分はいろいろな単語、表現を使い分けられてないから英語が話せない、面接に苦労する」のではなくて実は、
ごく限られた動詞すら集中的に使ったことがないから話せないんです。
筆者もそうでした。
「だから上であげたたった10個あまりの動詞をつかって意見を言う練習をするだけでも1級合格に大きく近づきますし、
英語を自由に操ることに大きく近づけます。
まだすぐに文が口から出ないのに動詞の数を増やそうとしないのが筆者流です。
スムーズに出るようになってから数個だけパラフレーズする単語、表現を装備しておけば十分です。
✅必要な文型
SVOO,SVOCの文型を使いこなすことです。
そうすると内容の充実した文を話しやすくなります。
SVOOは上で挙げたgiveの時に、SVOCはmakeやkeep,tell(OtoV),enableの時に使います。
✅必要な修飾語
名詞の後ろに形容詞句、形容詞節を後置する練習をします。
副詞句は〇〇するためにを表す不定詞を使いたいですね。
✅今まで挙げたコツでこんな文が作れる!
The government should make people having bad eating habits change their lifestyle to keep their body and mind healthy without its medical support.
どうでしょうか。
この文には英検1級面接を受けるみなさんが思うような難易度の高い単語は出てきていませんし、文型もシンプルです。
いままで取り上げた必須の動詞や文型、修飾語句のみで構成されています。
しかし、なかなかの内容のある文で、これなら確かに合格しそうだという気がしませんか。
実際この程度の文を少し考えながら話し(これ未満ですが)筆者は少しだけですが余裕を持って合格しました。
でも実際この文を即興で話せといわれるとなかなかきついという方も多いのではないでしょうか。
だから今回取り上げた単語、文型、修飾語句に絞って文を話す練習をしてほしいんです。
今回取り上げた1級受験者の方にとっては易しい単語、易しい仕組み(英検準2級レベル)を瞬時に使いこなせるようにすること
+形容詞節や句に代表される修飾表現を後ろに後ろにつけ加えていく英語の感覚を身につけること
ができれば、英検1級合格かつ英語に自信を持つ未来は目の前です!
結局英検1級面接はどんなレベルで何を求めているのか?
筆者は英語力に関してはインターネット上で英語の発信をしている人の最上位にはほど遠いと思いますが、
勉強を圧倒的時間数さまざまなレベルの生徒に教え実際に合格させてきたので、
「その試験が受験者に求めているもの」の把握力には自信があります。
筆者的には英検1級は、過去問やさまざまな方の合格体験記などをみた結果、
それなりの意見(賢い中3並み)を英検準2級レベルの英語構造に乗せて大きなつまりなく話し、会話相手とまあまあ円滑にコミュニケーションをとれるかを見る試験のように思いました。
今まで難しいことを思い描いて、面接対策が行き詰っていたという方の参考になればと思います。
3.0秒でスピーチし始める練習をする
①そうしようと思った理由は・・・
また何を言い始めたんだ・・・と思った方もいるかもしれません。
でも冗談ではなく本気で言ってます。
ご存じのとおり英検1級面接はスピーチの考慮時間が1分あります。
筆者も最初はその1分の中で意見をまとめあげてスピーチをしようとしていました。
しかしやはりそれは厳しかったです。
ここで「だからスピーチの暗記をしよう」となる方も多いんだと思います。
僕はそこで逆に0秒で意見を言い始めてみてはどうかと考えました。
だってどうせスピーチの途中で詰まったらその場でなんとか意見を言おうとするじゃないですか、
それで言えちゃうときもあると思うんです。
また、質疑応答のコーナーになればどうせその場で意見を出し、英語で述べることが求められるんです。
だったらスピーチも0秒で話し始める練習をしたらいいんじゃないかと思ったんです。
実際練習してみたらできるようになりましたし、これこそが筆者の求めていた「英語が話せる」状態でした。
この練習を経て臨んだ本番は緊張もあまりせず(少しはしましたが)、自然な感じでスピーチと応答ができました。
もちろん大した内容ではありませんでしたけど 笑
スピーチの考慮時間の1分もほんとに大雑把な枠組みを考えただけで、ほぼぼーっとしていましたが大きな問題はありませんでした。
(細かい台本を決めてしまっても逆にそれにとらわれて思い出そう、思い出そうとしてしまってスピーチに悪影響があるとも思っていました)
②考慮時間0秒スピーチのやり方
いたってシンプルです。
1.予算、人々の意識という2つの観点から意見を出す。
2.使う単語、文の構造は 2.意見を言うための英語表現を分類して身につける。の項の表現を徹底して使う。
やはり考え方、使う表現を単純化しているので即興で出すことも可能になるんですね。
これをやっていくと少しづつ確実に意見をスムーズに言えるようになると思います。
最後まで読んで下さってありがとうございます。
話す方の強化の仕方はわかったけど聞く方が不安・・・という方はぜひこちらの記事を。
それでは今日のまとめです。
この記事のまとめ
英検1級面接に合格するためには大量のスピーチの暗記よりも、
①テーマに対して予算や人々の意識といった切り口から意見を出す練習をする。
②その意見に対応する英語を作る力は数少ない必須表現を繰り返し練習することで得る。
③スピーチ練習はあえて準備時間0秒で行う練習をする(①と②に沿って)と意外とできてしまうし、実はそれこそが英語を話せる状態。