10分でわかる!英検準1級・本当の価値・レベル

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英検準1級の価値

英検2級とは実用的価値が大きく違う。



✅大学入試時の優遇度合いが違う。


英検準1級は大学受験でいうと早稲田、上智、MARCH、関関同立などほとんどの難関大学で入試時の優遇を受けられます。


優遇の内容は、主に

①試験結果に加点。

②英語受験免除。(満点扱い、80%扱いなど)

に分かれます。


(詳しい内容は年ごとに変更になる場合がありますので各大学のサイトをご確認下さい。)


ちなみに英検2級以下だといわゆる難関大学で入試、推薦時に有利になることはほぼありません。


(難関校では加点があっても5点などということが多いです。それ未満のレベルの大学では有効な優遇が受けられる場合も多くあります。)




身につく本物の英語運用力が違う


英検準1級にはよく比較されるTOEIC700~800点(LR)と違い面接があります。


その内容は、


①4コマ漫画に対して自分でストーリーをつけて英語で説明していく。


②5問の質疑応答


で、①でもかなり自律的な(カードにある文章のコピペなどでは対応できない)英文づくりが求められますし、


②でも2級に比べて人によって答えの内容が異なるような、当たり前すぎない内容に関しての問いがなされる印象です。


ですので、それに対応して理想としては10語以上の文を複数答える必要が出てきます。



準1級に合格した方は、ある程度その場の即興で上記のようなことをできたということなので、英語を話せるといってよいレベルなのではないかと思います。


他の記事でも書きましたが、僕もこの問題に対する練習を通じて、

「英語が話せる」という手応えを得ました。



実用的価値以外の価値=そこからの英語力の伸びが違う!




英検準1級は、リーディング能力に関しても、読みやすい洋書(大人が読むもの)を読んでもわかるレベルのものを求められますので、



日々の生活でも英語の本を読んでそこから新しい知識を得ることが可能になり、英語力が大きく伸びるチャンスが生まれるようになります。



これこそが英検準一級の最大の価値だと筆者は思っています。




どういうことかというと、



①今までは英語の文章は英検などの前に500語の英文を8個ぐらい読んだだけで、普段は自力では全然読んでいなかった。という方が、



②英検準1級の受験を機に毎日500語程度の英文を2つ読むようになった なら



年間4000語→365000語に英語体験が増えることになります。




このように多くの英語を読むことができるようになると、今まで2年でやっと得ていたような英語体験を2週間で得たりすることが可能になり、英語力が爆発的に伸びるようになるんです!




ですから英検準1級は英語を話せる、使えるようになるための鍵を手に入れられる級 と言えると思います!!



苦労して通るべき道を通って取った準1級の価値にはすごいものがあると筆者は感じています。



TOEIC700点より準1級?

TOEIC700点と準1級を比べた場合、ライティング、スピーキングの試験を課されるという意味で、準1級の方が合格者の方の英語への自信は大きいようです。


SNSを見てもTOEIC700点~800点の方の


「英語を話すことに対する恐怖」


のようなものは毎日のように目にしますが、英検準1級の方に関してはそういうものを見かける頻度は少ない気がします。(筆者の個人的印象ですが。)


TOEIC700点を目指す方はどうしても700点取ることが最終目標になってしまっていて、対策問題集も問題を解くことだけに終始する傾向があるようなので、


目標達成後に自分から英語を発信するというテストの対象外のことに自信が持てないのは当然と言えるのかもしれません。


筆者の指導経験では、TOEICであっても発信を意識した勉強をした方が得点の伸びはずっと速いです。


もっともこれは英語に限ったことではなく、どの教科を指導していても、


「最も楽な方法でできるようになることしか意識していないプレイヤー」は、


「興味を持ちながら、幅広く対象の上達に必要な知識を取り入れ、最も身になる練習をしようとするプレイヤー」


には単純に目の前のテストの結果においてもまず勝てませんし、実践の場でそれを使うとなれば、


埋めがたいほどの差が出るということは、自分の経験からも指導経験上も身に染みて感じます。




英検準1級のレベル


✅必要語彙数が圧倒的に多い。


英検準1級に必要な語彙数はおおよそ8000語程度と言われています。


これは英検2級の約2倍で、TOEICなら800点を取得する方と同じくらいのレベルだと思います。


(ほんの数例ではありますが、実際にTOEIC800点の取得を目指す方に筆者はTOEICの頻出単語集のほかに、英検準1級の単語集もやってもらい、スムーズに800点近くを取得できました。)


英検準1級を難しいものにしているのは間違いなくこの語彙数と言えるでしょう。







✅リーディングの語数が多く、内容が充実している。


約3800語程度でこれは英検2級の1.3倍近くです。


英検準1級は2級に比べ筆記の試験時間が5分長く90分ですが、ライティングの語数も2級の80~120から120~150に増え、テーマの難易度も増すので、



単純に1.3倍以上の読解スピードが求められると思って間違いないと思います。



またリーディングの文章の内容の難易度も大きく上昇するので、リーディング全体の難易度は2倍くらいになっていると言えます。





✅リスニング問題の文章、会話の内容が充実して長くなっている。



英検2級リスニングの使用語彙レベルが5000語であるのに対し、準1級では8000語ほど。


実際放送された英文を見てみても難易度の差は一目瞭然です。


使われている単語数(長さも)準1級のNo13以降は1つの話、会話の長さが200語ほどあり、


英検2級のNo16以降の70語程度とは雲泥の差があります。


話されるスピードにこそ2級と大きな差はありませんが、英語の語順で内容を考えることができていなければ合格水準に達しない問題だと思います。



いちいち日本語に置き換えてすべてをとらえているようでは、英語と日本語で頭がパンパンになって会話の内容を記憶していられなくなる分量と内容のレベルです。





✅ライティングの語数も増える。


2級が80~100であるのに対し、準1級は120~150です。


ただ他の分野に比べると2級とのレベルの差は小さいかもしれません。



※2024年から語彙問題、読解問題(選択式)が減らされ、読解→要約(ライティング)の問題が出題されます。






✅スピーキングのレベルが違う


身につく英語運用力が違う の項で述べた差以外に、


英検2級では形式こそ準1級に似ていますが、漫画をみて考えなくてはならない英文は実質4文程度。


それに対して準1級では10文ほど考えなくてはならず、求められている英語での発話、思考スピードに大きな差があることがわかります。


ですからしっかり練習すれば、英語が全く出ずに海外の方とコミュニケーションが取れないということはなくなります。



結局自立した英語学習者であることが求められる。



ここが筆者が一番伝えたい、他の先生方はビジネス的にマイナスなのであまり触れないかもしれない点です。


今まで述べてきたようなレベルの準1級をクリアするには、結局言われたことを忠実にコピーしていくだけではその時々に生まれてくるつまづきを越えていくことはできません。


自分で英語上達のために情報を集め、練習方法を試し、試行錯誤することが必要になってきます。



英検準1級学習においては、教えてくれる方はあくまで伴走者であり、補助です。



ゆう

筆者が英検を長年指導して感じたことですが、(他の勉強でも同じです)




英検5級、4級なら出るものを生徒に直接教えることができる。


家庭での学習はほとんどなくても合格させることができることが多い。




3級ならほんの少しだけ家で問題を解いてもらえばいい。


準2級は初めて家庭での腰を据えた学習(=言われた通りの)や本格的単語学習が必要になる。


2級は家庭での勉強時間も長くなり、わからないところを自覚して調べる必要が出てくる。


(すべての細かいつまずきを先生に解決してもらうのは不可能)


準1級は自分で課題を見つけ、調べ、実験をし、使う単語や構文をストックしたり取り換えたり、練習メニュー自体を変えたりする必要がある。


さくら

準1級合格のためには自分で考えないとだめってことね。



そうなんです。



このように級ごとに必要とされる行動の自立性が高まる様子はちょうど子供が、


1日にすることを全て親が決めている幼少期から、宿題をする時間と遊ぶ時間くらいを自分で調整する少年期、


進路を思い描いて両親の庇護のもと勉強したりする青年期、


生計を自分で立て、人生の目的から一日の使い方まで全て自分で決定する成人期


と人間が成長していくのに似ていると思っています。


ゆう

準1級に受かるために筆者が毎回生徒に伝えるのは・・・




「英語に興味を持って(危機感でもいい)、いつでも上達のために必要な情報にアンテナを張って、課題を発見し練習メニューを自分で試行錯誤すること」です。


これなくしてスクールなどの人に言われた合格のコツの集積のみで準1級(=高校の英語教師平均レベル以上)に到達するのは非常に困難だと感じています。


もし万が一到達できても、その先のレベルの扉は確実に閉ざされてしまいます。


この記事を読んで下さっているかたにはぜひ、準1級=自立した英語学習者というイメージを持っていただいて、


自分が体得した英語の知識でまわりの誰かに貢献するくらいの気持ちで取り組むといいのではないかと思っています。



それが合格への確実な、かつもっとも価値のある道筋だと自身が英検を取得しただけでなく、勉強の指導経験も25000時間を超え、たくさんの学力を伸ばした生徒を見る機会に恵まれた筆者は思っています。



筆者もそういう気持ちで英語を勉強していこうと修行中です。




※英検準1級の問題を実際に見たい方はこちら↓







最後までお読みいただきありがとうございました。


それでは今日のまとめです。



この記事のまとめ

英検準1級は、


①大学入試でも2級までとは全く違うレベルの優遇が受けられる。


②目指し、勉強することで身につく英語運用力も2級までとは桁違いで、


TOEICと比較してもスピーキング、ライティングが課されている分、取得者の英語に対する自信も大きい。


③レベルにおいても必要語彙が1.6倍以上になることをはじめとして、特にリーディング、リスニング、スピーキングにおいてこれまでの級との差が大きい。


④結局上記のようなレベルをクリアしなければならない準1級においては、


受験者が自立した英語学習者であることが必要不可欠。


この級を取ることで、取ろうとすることで得られる英語力向上の機会(=英語と触れ言う機会を圧倒的に増やせる)は、近い将来英語を操る自分になるための何よりのパスポートになる!